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SELVAGGIO『山と海を感じる』春の新メニュー

地元産の食材をつかうことにこだわりつづける水際のロッジ併設のピッツェリア『SELVAGGIO』では、3月から、春の訪れを感じさせる新メニューを新たに始めた。

今回はSELVAGGIOの北久シェフに春の新メニュー料理に込めた想いを伺った。

●熟成「鯛一郎クン」とレモン、長ネギのピッツァ

『鯛一郎クン』の魅力を全面に出したい、というシェフの想いから、考案されたピッツァ。鯛一郎クンとは、愛媛県宇和島市で徳弘多一郎さん(株式会社タイチ)が大事に育てている養殖鯛のこと。多一郎さんは餌にこだわり、研究と改良を重ねてようやく天然鯛に負けない養殖鯛を作ることに成功した実力のある生産者さんだ。毎朝『おはよう!愛してるよ!』と言葉をかけながら餌やりをするほど愛情を注いで鯛を育てている。

その鯛の特徴は、臭みがなく、身もふっくらしていて、圧倒的な弾力があることだ。

また、魚は新鮮な方が美味しい、というイメージがあるが、「この鯛は新鮮なそのままの鯛で出すよりも熟成した方が合う」と、シェフは言う。熟成をすることで、味が濃縮し、より旨味がでるのだそう。

鯛が活きるように、味付けはレモンと胡椒、食材は食感のアクセントとしての長ネギのみというシンプルな味付け。

「このピッツァのこだわりは?」と聞くと「9割8分鯛がメインなので、とにかく鯛を味わって欲しいです!」と笑顔で答えるシェフ。鯛一郎クンの美味しさをそのまま伝えたいというシェフの想いが全面に表現された一品だ。

●津島ヒオウギ貝と松野町山菜、チェリートマトのオレキエッテ(パスタ)

ヒオウギ貝は、七色の貝殻を持つ美しい貝。イタリアではよく料理にも使われ、貝は壁の装飾として見かけることも多い。

そんなヒオウギ貝は日本では見かけることが少ないが、フワッとしていて肉厚な身で味は帆立に似ている。

このヒオウギ貝は、愛媛県津島までシェフが直接生産者の元まで出向いて購入する。

購入方法は、自分でカゴの中から勝手に貝を取っていって、ポストにお金を入れて帰るのだそう。まさに信頼で成り立つ関係だ。

ソースに使われているアンチョビの程よい風味と塩気が、海の食材であるヒオウギ貝の存在を引き立たせる。

また、松野町でとれた山菜は蕗の薹やタラの芽など、そのときに採れたもので変わってくる。山菜の程よい苦味が、良いアクセントになりつつ、パスタにすることで子供でも食べやすい味に仕上げている。

そして、イタリアプーリア州の伝統パスタ、オレキエッテは、小さな耳を意味し、見た目も耳たぶのよう。SELVAGGIO初の手打ちパスタは、もちもちとしていて、ソースに絡ませて食べるとそれはもう、絶品。

●ピスタチオのティラミス

イタリアブロンテ産ピスタチオペーストを使ったティラミス。イタリアではティラミスの層に使われるサヴォイアルディ(フィンガービスケット)にはエスプレッソを浸すのだが、上と下の層の風味の変化も楽しめるよう、今回はあえて上の層はエスプレッソではなく、牛乳とアマレット(アーモンドリキュール)を使ったという。

また、上にトッピングされたピスタチオは食感があまりないティラミスとのコントラストが感じられるように、あえて細かく砕かないというポイントもシェフの細かな配慮が垣間見える。

少しずつあたたかい日が増えてきた3月。
冬に新しく設置した「ORiGaMi(オリガミ)テラス」でゆっくりと渓谷の春を楽しむこともできる。
テラスで風を感じながら食事をするのも、春の醍醐味の一つだろう。

ここでしか味わえない森の恵みを、
みなさまの食卓に。