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ゆうぼくの里 Vol.1 〜お肉になるまで編〜

農作物

梅雨の間の昼下がり。SELVAGGIO北久シェフとともに訪れたのは、水際のロッジからは車で1時間ほど北上した愛媛県西予市にある「ゆうぼくの里」。

ここでは牧場、精肉加工・販売、さらにレストランまで、牛が生まれてお肉になるまですべてを一貫して行っており、わたしたちが口にしているお肉のストーリーを最初から見て知ることができる場所。

ゆうぼくの里の想いに共感し「どうしても『ゆうぼくの里』からお肉を仕入れたい」という北久シェフの想いから、SELVAGGIOでもお肉を卸してもらっている。

今回は、ゆうぼくの里の全てを見学させてもらうことに。
さあ、SELVAGGIOのお肉のルーツを辿ってみよう。

精肉店、レストランが併設

大きな道から少し外れたところに、カウボーイが扉を開けて出てきそうな小さなログハウスが佇む。

店頭、またECサイトでも冷凍販売している

手前の扉を開けると、精肉販売店になっており、ゆうぼくの里の自慢の一品でもあるソーセージから、ハンバーグ、ミンチ肉、さらにはメンチカツやコロッケといった惣菜まで、多種多様な商品ラインナップが並んでいる。

今回は特別に裏側を見せていただくことに。
精肉から商品化まで全てを管理しているのは、プロダクトマネージャーの佐藤さん。
ここでは、牧場からやってきた牛を丁寧に捌き、部位ごとに切り、冷蔵庫で熟成させている。

これからお盆前の繁忙期となり“超”忙しくなるのだという。

長年の試行錯誤の後、冷蔵庫の好冷菌を肉に付着させ熟成させることに成功した

「ピークが8月15日に来るんだよね。それまでにどれだけの需要がきて、どれくらいのお肉を抱えておく必要があるのかを考えながら、商品ラインナップを決めていかなきゃいけない。じゃあそのためには牧場で何頭の牛を抱えなきゃいけないのか、遡って牛の頭数まで考えていく必要があるんよ」

「そこまで考えているんだ」と思わず感嘆してしまった私に、佐藤さんは「じゃないと回んないのよ、牛一頭売るっていうのは」と話す。

そして、ここに、畜産から加工販売まで全てを一貫してやることの、大変さが隠れていたことに気づく。

「部位の使いやすさによっても需要は変わるから、パーツだけで考えるとめっちゃ楽なんよ。問屋さんからこの部位だけ下さいって言うのは簡単。

でもここではそうもいかない。牛1頭からとれるお肉は限られてるでしょ。

牛を育てて、お肉を売るということは1頭の頭からお尻まで、価値をつけてあげることが大事。そしてお肉を余らないようするために、バランスをとりながら綺麗に売っていく。それが自分たちの仕事であり、腕の見せ所になるんです」

熟成した肉を焼き、水をかけることで急冷させる。パリッとした美味しいハムになる

今はロスがゼロだという。それは長年の経験により培われた、佐藤さんの肉職人としての確かな技量による功績だ。

「ゆうぼくの里は、牛の生産から販売まで様々な販売チャンネルがあるから、その中で調整すればいい」

ステーキ&ハンバーグランチ

そして話を聞いた後は、そのまま奥のレストランへ。
丸太のお皿の上にのって運ばれてきたのは、先ほど説明を受けたジャージー牛のハンバーグと、赤身の濃いヘルシーな熟成肉ステーキ。

柔らかく、噛めば噛むほど甘みの味が出てきて、美味しい。

ゆうぼくの里では、特にジャージー牛が一押しだという。

牛乳として人気の高いジャージー牛は、お肉として出回ることはまだ少ないが、脂身が少なく、赤身の色味が長くしっかり残るため、料理人たちの間ではここ3〜4年で徐々にニーズが高まってきているのだそう。

さて、精肉について勉強し、お腹も満たしたところで、いよいよ牧場にいる牛たちに会いに行ってみる。

▶︎「ゆうぼくの里 Vol.2〜牛に会いに行ってみる編〜」に続く

ゆうぼくの里公式HP:https://yuboku.jp/

ライター/井上美羽

ここでしか味わえない森の恵みを、
みなさまの食卓に。