What’s your heart of AMETSUCHI?

あなたにとって
「あめつちの心」とは

島村 菜津さん

ノンフィクション作家

大学卒業後、十数年にわたり滞在したイタリアの食文化に関する著書『スローフードな人生!』は、ベストセラーとなり日本のスローフード運動の先駆けになりました。また、日本各地の先進的な町づくりを丁寧に取材し、食文化、歴史、文化などを深掘りする著書を出版するなど、日本の食の未来に光をあて続けています。能登半島地震後には、復興支援に取り組む料理人たちを取材し、また学校給食を改善する全国的な活動を追うなど、食を通じた地域活動も広がっています。近著に「シチリアの奇跡」や「世界中から人が押し寄せる小さな村」等。

島村 菜津さんにとって
「あめつちの心」とは

四万十川の源流である目黒川の迫力は息を呑むほどで、ただ森の生き物たちの気配を感じながら、川沿いの坂道を散策するだけで、都市の暮らしで溜め込んだ心の滓(オリ)が溶けていくようだった。

 最初は、国立公園でもあるその大自然に感動したのだと思っていた。けれども、

このホテルに泊まって、はたと気づいたことは、私に深い感動をもたらしたものは、この森の中で廃墟化しかけていたホテルを蘇らせ、“限界集落”などと呼ばれていた歴史ある集落に若者たちを呼び込むために、家族で暮らし、自然と共生する農業を自らも覚え、そこに、もてなしと学びと交流の場を生み出そうとしている細羽さん一家と、これを応援する若者たちの姿だった。

 私たちを生かし続けてくれる自然のダイナミックな創造力と癒しの力に倣いながら、大自然の中に楽しい場づくりを試みる彼らこそ、あめつちの心そのものである。

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