足摺宇和海
国立公園について

足摺宇和海国立公園は、1972(昭和47)年11月に、陸域の美しい景観や色彩豊かな美しいサンゴ類が生息する海中景観などが認められ、国定公園から昇格する形で誕生しました。

本公園の大きな特長は、四国南西部の島嶼を含む海岸部と、内陸部の標高1,000m級の山々からなる変化に富んだ景観です。足摺地域は、海岸段丘が発達した断崖絶壁が続き、黒潮の恩恵を受けた亜熱帯性の海洋生物やサンゴの群集が見られます。

一方、宇和海地域は沈降海岸の繊細な入江と島嶼景観が魅力となっており、美しい海中景観を楽しむことができます。また、内陸部では、コウヤマキやスギ、ヒノキなどの巨木をはじめとした自然林が残されており、暖温帯から冷温帯まで植生の垂直分布を見ることができ、日本でも珍しい生態系を有しています。

一方、宇和海地域は沈降海岸の繊細な入江と島嶼景観が魅力となっており、美しい海中景観を楽しむことができます。また、内陸部では、コウヤマキやスギ、ヒノキなどの巨木をはじめとした自然林が残されており、暖温帯から冷温帯まで植生の垂直分布を見ることができ、日本でも珍しい生態系を有しています。

地形的な特徴について
(隆起してできた滑床渓谷)

足摺宇和海国立公園の地形は、プレートの動きによる隆起と海洋の海進海退により、特徴的な地形がかたちづくられ、足摺側と宇和海側では、同じ国立公園とは思えないほど独自の地形が形成されています。
足摺側は隆起海岸で断崖絶壁が続く海成段丘や岬地形がみられ、宇和海側は典型的なリアス式沈隆海岸で長く突き出た半島や点在する島々、入り組んだ海岸線などで形成されています。また、ここ滑床渓谷を有する鬼ヶ城山系は1000m級の山々が隆起して形成されており、足摺宇和海国立公園の中でも飛地的に公園指定されている場所になります。

紫色部分は、花関級岩・トーナル岩場状鳥引・大陸(隆起して形成された地形)
国立研究開発法人 産業技術総合研究所 地質調査総合センター 20万分の1 日本シームレス地質より作成(2025年3月21日)

稀有な地形が生み出した奇跡の軟水

鬼ヶ城山系の山々は硬い花崗岩が隆起して形成されており、降り注ぐ雨は深い地層に浸透することなく噴出され、渓谷に流れ込みます。生態系豊かな渓谷なのでミネラル分をたっぷり含んだ水かなと思いますが、実はそうではありません。

その理由はいくつか考えられますが、私たちは次のように考えています。
(1)花崗岩質はゆっくり冷えて固まった溶岩なので水が染み込みにくく地中のミネラルが入りにくい。
(2)山が急峻なので降雨は土中に長く留まらず流れてしまうためミネラルの少ない水が流れてくる。

岩質的にミネラルが溶けにくいこと、さらに深く浸透しないことから、滑床渓谷を流れる水はミネラルを含まない高い純度の超軟水となっています。稀有な地形が育んだ日本屈指のこの軟水を、私たちは「奇跡の軟水」と呼んでいます。赤ちゃんの肌にも優しい水、是非川で遊んで感じていただきたいです。

日本の名水と硬度