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森の国の住人たち

夢への第一歩

森の国マーケティング

2021年春。神奈川から森の国にやってきた湯之上美紀さん(ミキティ)は大学時代もインターンや国際交流を通して幅広い経験を積んできた。
インターン時代の話や、森の国でやりたいこと、そして彼女の道を作る上で欠かせない、将来の夢について、話を聞いた。

立命館アジア太平洋大学の経営学部でマーケティングを選考していたミキティ。フランスの留学経験も経て、国際交流も活動的に行っていた彼女は、中学生の頃から、ホテルを経営するという夢を持っていたという。

「中学生の時からホテルで働きたいと思っていて、大学では観光系の学部もあったのですが、将来自分が経営者になってホテルを作りたいという夢があったので、経営学部に入り、マーケティングを勉強していました。
最初は、経営をしたいというところまでは考えていなかったのですが、旅館やホテルでアルバイトを経験する中で、自分だったらこうするだろうなって思うことがあって。ただアルバイトの立場ではできないことがたくさんあったので、いつかは自分がマネジメントできるホテルをしたいと思うようになりました。」

インドネシアで地域活性化するホテルを

その夢の舞台はなんとインドネシア。学生の時にインドネシアに行ったり、友達と交流をする中で、ある課題を感じたのであった。

「インドネシアは、バリとか、ジャカルタのような発展した観光地をイメージする人も多いと思うのですが、発展している地域は、首都の一部のみで、全土でみるとまだまだインフラも整っていない町も多い国なんです。なので、地方で、雇用を生み出して、インフラも整えて、現地の人の生活が少しでも豊かになるようなきっかけになるホテルを作れたら、と考えています。」

地域活性化につなげるためのホテル。まさにサン・クレアが森の国で目指すビジョンと重なる。

そんな彼女とサン・クレアの出会いは、2年前に遡る。

大好きなパンでイベント企画に挑戦

「大学のキャリアの説明会に、サン・クレアさんが一度きて、講演されていたんです。そこで話を聞いたのが最初です。サン・クレアさんはホテル業の中でも、単純に新しいホテルを作るわけではないというところに惹かれました。
その時、ホテルでできることを企画して、企画書を出すと言うインターンを福山市にあるアンカーホテルで募集されていたので、応募して、大学2年生の春、3週間のインターンに参加しました。」

パンが大好きだと言う大学二年生の彼女は、アンカー・ホテルのイベントの企画を任された。

「イベントでは、自分で作成した福山市のパン屋さんマップを使いながら、私のお勧めのパン屋さんを宿泊客や地元の方と一緒に巡りました。
イベント当日まで2週間の準備期間の中で、地元のパン屋さんに取材に行き、インタビューをさせてもらいながら、お勧めのパンを聞いたり、写真を撮ったり、チラシ作りやポスティングをしたり。すべて1から挑戦しました。」

自由度の高いサン・クレアのインターンは、自分でやるべきことを考え、進めていかなければならない。そんな中で模索しながらも、3週間でミッションをやり遂げたミキティの実力は底知れない。

「これが必要かなって自分で考えて行動はしていたんですけど、抜けているところもあったし、集客面は全然考えられていなかったりで、今思うともう少し効率よく集められたんだろうな、と思います。でも当日は宿泊客だけではなく地元の方も多く来てくれて、良い経験になりました。」

2度目のインターン@森の国

そして一年後の夏、コロナの影響で一年のフランス留学期間が短縮され半年で急遽帰国することになったことを機に、たまたま森の国で再びサン・クレアと関わることになった。

「細羽さんが日本に帰ってきているのを知って、声をかけてくださったんです。コロナ禍で、神奈川の実家にずっと籠もっていたのですが、『森にきたら?』とお誘いをいただいて。大学もオンライン授業で、場所はどこでもできたので、森に行ってもいいかな、と思い、1ヶ月半のインターンとして『English Camp』の企画や『森とパン』の店舗立ち上げのサポートを行いました。」

「『森とパン』の店舗立ち上げでは、年間収支計画を作ることもやりました。大学で会計を勉強していたのですが、会社の収支を作ることはなかったので、実践面で勉強になることが多かったです。
また、お店のオープンってこんなに色々考えなきゃいけないんだと、表に見えていない部分のステップも相当あるということを知ることができて、勉強になりました。

決めては、『人』

大学卒業後の進路や就職先を考える上で、森の国にジョインする決め手となったのは『人』だった。

「「働く環境ももちろん良いし、人口の少ない町での取り組みもとても面白いと思いましたが、その中で特にここ働いている人たちがやりたいことを持って働いていることが1ヶ月半のインターン生活の中で伝わってきて。
30年ぶりにお店がオープンするという話や、松野町の歴史の話などを聞きながら、最後『森とパン』のオープンを見届けてからは、もうここだ、と思いました。

知って欲しいところがたくさんある場所

現在はホテルのフロント業務にも入りながら、『森とパン』のパン作りや販売、English Campの企画など、スタートして1ヶ月というわずかな期間の中で幅広い業務をしているミキティ。大学での専攻も生かしながら、色々なことに挑戦している。

「予約サイトの数字を追ったり、宿泊の傾向を分析したり、インスタグラムの運用なども勉強しながらやってみています。
マーケティングに関しては興味もあるし知識ももう少し付けたいので、データを使って戦略的に見て、結果につなげていくようなことをできたら、と思っています。」

ここで働く上で、自然環境や、サステナビリティについての話題が上がることが多くて、SDGsについても大学でも勉強したので、そういった視点が入っていることが嬉しいです。
SNSを運用する上で、伝えたいことを考える機会が増えたんですけど、ここはもっと知ってほしいと思うところがいっぱいある場所だな、と思っています。

虫やネズミとの共生も一興

中学も高校も満員電車で通学していた彼女は、真逆の自然の中での生活に憧れていた。

「去年の夏、寝ている時に、ムカデに刺されたんですよ。虫は得意ではないですが、そういう経験って都会だとできないなと思いました。
今日も死んだネズミを見つけて、埋葬しました。そんな経験も今までないので、新鮮です。
そういうのも含めて、自然で遊んだ経験がないからこそ、全部が新しいですね。

華奢で柔らかい雰囲気をもつミキティは、話を聞いてみると、将来の明確なビジョンを持つ、馬力のある強い女性だった。
8年後、30歳になる時にインドネシアで自分のホテルを作りたいという夢に向けて、着実に一歩ずつ前に進んでいる。

そんな彼女のこれからの躍進にも期待したい。

ライター/井上美羽

夢への第一歩が参加する森の国の活動