REPORT
森WEEK2026@目黒 実施レポート Vol.02
四万十川流域シンポジウム
森・川・海を「食」でつなぎ、流域の未来を考える
4月23日(木)、「四万十川流域シンポジウム」を開催いたしました。
テーマは、「森川海の循環と、食でつなぐ流域連携 ― 地域食材・知恵の共有から、次のアクションへ ―」。
当日は、四万十川流域で生業を営む森・川・海のプレーヤーに加え、食の専門家にもご参加いただきました。自然環境の変化と現場の課題を共有しながら、食材という切り口を通じて、流域の可能性とこれからの連携のあり方を考える機会となりました。
地域資源は、あるだけでは価値になりません。誰がどう読み解き、どうつなぎ、どう次の行動へ変えていくか。その意味で今回のシンポジウムは、「共有」から「共創」へ向かう一歩になったと感じています。

官民連携で進めてきた流域連携の実践を共有
四万十川流域連携ツーリズム 実施レポート
冒頭では、森の国Valleyのネイチャー活動家 船越友記郎、昨年まで環境省職員だった小林皆登さん、そして川漁師の税所伊織さんより、昨年度の環境省事業における森川海連携事業の取り組みについて共有いただきました。
環境省モニターツアーから鮎ピッツァの開発に至るまで、官民が連携しながら地域資源を新たな価値へと編集していく実践が紹介されました。あわせて、四万十川流域の特異な地形、黒潮がぶつかる土佐清水の海域、それらが育む希少で多様な生態系についても語られました。
また、かつて地域産業の一端を担っていたスジ青のりが、今ではほとんど採れなくなっている現状や、その背景に森の環境変化があるという話は、流域全体を一つの生命圏として捉える必要性を改めて感じさせるものでした。


四万十川の現場で、川から見える変化を学ぶ
フィールドワーク
小雨の降る中、参加者は四万十川の中流域へ向かいました。
現地では、四万十川川漁師の税所伊織さんより、鮎の生態や鮎漁についてお話しいただきました。さらに、近年の川の生態系の変化や、川漁師だからこそ見えてくる課題についても共有いただき、参加者との意見交換も行われました。机上ではなく現場に立つことで、森と川、そして海がどうつながっているのかが、より具体的に立ち上がってくる時間となりました。


立場を越えて、次のアクションを構想する
パネルディスカッション
パネルディスカッションでは、「森」からネイチャー活動家 船越友記郎、「川」から四万十川川漁師 税所伊織さん、「海」から窪津共同大敷組合長 林千博さんにご登壇いただきました。
さらに、食の専門家として、PIZZERIA GTALIA DA FILIPPOオーナーシェフ 岩澤正和さん、一般社団法人日本サステイナブル・レストラン協会 代表理事 下田屋毅さん(オンライン)にもご参加いただきました。
森川海それぞれの現場から見えている課題、食のサステイナビリティの視点、飲食業界が果たせる役割など、多様な立場から率直な意見交換が行われました。議論は単なる問題提起にとどまらず、次のアクションにつながる気づきや、具体的な連携のアイデアへと発展し、大変有意義な時間となりました。
いま必要なのは、課題を共有することだけではなく、異なる立場の人同士が「一緒に何ができるか」を考え始めることです。今回の対話は、その意味で実践的な一歩だったと言えます。






食卓が、流域の豊かさを語り出す
交流会
夕方からは、ご登壇いただいた皆さまと参加者がつながり、語り合う交流会を開催しました。
夕食には、黒潮がぶつかる海の食材、四万十川の食材、目黒の山の食材が一つの食卓に集まりました。森川海の恵みが重なり合う料理の数々は、自然の循環の豊かさを、頭ではなく舌と身体で感じさせてくれるものでした。
また、2日間を通して積極的に意見を交わしてくれた、あめつち学舎とFCI今治高校の高校生たちとも交流する場となりました。若い世代のまっすぐな視点が加わることで、対話はさらに開かれ、世代を超えたつながりも生まれました。
地域の未来は、専門家だけでつくるものではありません。現場の担い手と次世代が同じ場にいて、同じ食卓を囲み、同じ問いを持つこと。そのこと自体が、すでに希望だと思います。


関連リンク
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