REPORT

1日限定ピッツァ配達チャレンジ!〜フレッシュな笑顔をのせて目黒を駆ける〜
#Event
人口およそ270人。そんな山あいの目黒集落で、「宅配ピッツァ」が実現する日が来るなんて、誰が想像しただろう。
挑んだのは、滑床渓谷のイタリアンレストランSelvaggio(セルバッジオ)の料理人・桑田明子さんと、地域の中で学ぶ「あめつち学舎」の高校生たち。
2025年6月15日、一日限りのピザ配達企画「めぐろピッツァ」が行われた。
焼きたてピザを手に、高校生配達員たちが集落の家々をまわる。
修行の成果を地域へ還元
桑田明子さんは、Selvaggioで料理人を務めるかたわら、日々ピッツァづくりの修行にも取り組んできた。これまでに修行で焼いてきたピザ生地の数は、およそ1000枚。そのなかでも納得のいく生地だけを冷凍保存し、大切に保管していた。
「この生地を、せっかくなら地域の人にも味わってもらいたい」
そんな想いから始まったのが、このデリバリー企画だった。

配布できたチラシは目黒の一部のみ。それでも当日までに20件近い予約が入り、43枚のピザを届けることが決まった。想像以上の反響に、「目黒には、まだまだ眠っている食の可能性がある」と感じさせられた。
ピッツァの箱にメッセージを添えて
高校生たちは当日の配達に向けて、ピザの箱詰め作業やチラシ貼りなど、出発前の準備に参加。
箱のふたには、一枚一枚、手書きのメッセージも添えた。地域の人に向けたあめつち学舎の活動紹介チラシも一緒に貼り、ただの宅配で終わらせない工夫を重ねていく。


ピッツァは、マルゲリータと季節野菜の2種類。
トッピングには、地元・松野町産のまっちゃんトマトや、目黒で自然栽培された玉ねぎやズッキーニが使われた。
初めての配達へ出発
焼き立てのピッツァを受け取り、次々と配達先の家々へ出発。

「こんにちは!ピッツァをお届けに来ました!」

フレッシュな笑顔で元気に声をかけると、玄関に出てきた住民たちの顔がほころぶ。
「わざわざ届けてくれて、ありがとう」
「またやってくれる?」
そんな言葉に、高校生たちの緊張も少しずつほぐれていく。
「目黒の人、みんなめっちゃやさしい!」
ピッツァの配達には、思っていた以上にあたたかな対話があった。
学びの場は、地域のなかに
ピザを届けるという小さなアクションが、目黒という土地との距離を縮めた今回の企画。

届けたのはピッツァだけではない。フレッシュな笑顔とともに、この日、目黒に交流の種がいくつも蒔かれていたように思えた。
これからの生き方を模索する彼らにとって、目黒の人たちとの出会いもきっと学びの時間。
地域はただのフィールドではなく、生きた教室なのだ。

めぐろピッツァ、大成功。またこの集落に、新しい風が吹きはじめている。
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