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2026.09.04

Vol. 16 『ありがとう』は、いくらだろう。

Social Re-generator(地域蘇生人)の細羽雅之です。

今年の暑い暑い夏休みも、ようやく終わりました。

森の国Valley「水際のロッジ」の夏休み滞在プランも無事に終了し、今年もたくさんのご家族にお越しいただきました。

これから秋に向けては、森の幸や秋の旬を楽しんでいただける滞在プランも企画しています。

夏とはまた違った森の国Valleyへ、ぜひ遊びにいらしてください。

さて、今日は「お金」の話です。

森の国Valleyがある目黒集落には、実はお金を使う場所がほとんどありません。

あるのは3台の自動販売機と、我が家のベーカリー「森とパン」、そしてカフェくらい。

ですから、私も普段、ほとんど財布を持ち歩きません。

財布を持たないことが日常になりすぎて、集落を出るときにも、ついそのまま出かけてしまいます。

先日はなんと、

財布を持たずに東京まで飛んでしまいました(笑)。

まるでサザエさんです。

幸い、スマートフォンのキャッシュレス決済で何とか乗り切りましたが……。

そんな暮らしをしていると、ときどき思うことがあります。

「お金のことを考えない時間って、意外と心地いいな」と。

現代の暮らしは、いつも数字と一緒です。

これはいくら。

こっちの方がお得。

あといくら必要。

いくら稼いだ。

いくら使った。

もちろん、お金は暮らしていくために欠かせない、とても便利な仕組みです。

でも、知らず知らずのうちに、私たちはいろいろなものを「いくらなのか」という数字で見ることに慣れてしまっているのかもしれません。

だから、ほんの少しでもお金から意識が離れる時間があることは、それだけで一種の**「マインド・リトリート」**なのではないか。

そんなことを、この集落で暮らしながら感じています。

だからといって、お金を否定したいわけではありません。

お金には、離れた人同士でも価値を交換できる、とても優れた機能があります。

その便利なところだけ少し借りながら、まったく違うものを循環させることはできないだろうか。

そんな発想から生まれたのが、

「森コイン」

です。

森コインは、木でできた小さなコイン。

いわゆる「地域通貨」とは、少し違います。

野菜をお裾分けしてもらったとき。

草刈りを手伝ってもらったとき。

夕食に招いてもらい、楽しい時間を過ごしたとき。

「ありがとう。」

その気持ちと一緒に、森コインを一枚手渡します。

面白いのは、これは物々交換でも、労働への対価でもないということです。

渡す側も、もらう側も、何か見返りを求めているわけではありません。

ただ、

「嬉しかったよ」
「ありがとう」

という気持ちを、目に見える形にして手渡す。

それだけです。

ところが、この木のコインをもらうと、なんだか少し心がほっとします。

そして、誰かから受け取った森コインは、また別の誰かへの「ありがとう」として手渡されていく。

ぐるぐる、ぐるぐる。

人から人へ。

感謝と一緒に、森コインが集落をめぐっていきます。

ちなみに、森コインは「森とパン」でほっと(HOT)コーヒーを飲むことにも使えます。

でも、これも「コインでコーヒーを買う」というより、

「ほっとする時間をいただく」

くらいの感覚が、森コインには似合う気がしています。

お金で表現する「価値」と、

人と人との間に生まれる「ありがとう」。

似ているようで、少し違います。

すべてに値段をつけなくてもいい。

すべてを損得で考えなくてもいい。

人から何かをしてもらったら、ただ「ありがとう」と喜んで、その気持ちがまた次の誰かへめぐっていく。

そんな循環があってもいいのではないでしょうか。

森コインが、この先どんなふうに広がっていくのか。

私たちにも、まだ分かりません。

壮大な地域通貨をつくろうとしているわけでもありません。

ただ、この小さな木のコインが、

「そもそも、お金って何だろう?」
「豊かさって、何だろう?」

そんなことを考える小さなきっかけになれば、面白いなと思っています。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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【森コインについて、もう少し詳しく】

森コインの取り組みについて、IDEAS FOR GOODさんに取材していただきました。

「地域通貨」でも「物々交換」でもない、感謝を循環させる森コイン。

その背景にある考え方も含めて紹介していただいています。

ご興味のある方は、ぜひご覧ください。

森コインの記事はこちら

【秋のご滞在プランのご案内】

森の幸、秋の旬。
森・川・海の恵みを、五感で味わう秋のごちそう。

森の国Valleyの秋は、一年でもっとも豊かな実りの季節です。

天然鮎や天然うなぎ、モクズガニなどの川の幸。
松茸、栗、柿、柚子などの森と里の幸。
そして、緋扇貝などの海の幸に、収穫したばかりの新米や自家採れのはちみつ。

その時、その日に出会えた旬のものをいただく——。

予定どおりではないからこそ面白い、森の国Valleyならではの**「アクシデンタル・ツーリズム(偶発的な旅)」**を、この秋もご用意しました。

11月下旬には、滑床渓谷を染める紅葉も見頃を迎えます。

ご家族や大切な方と、秋の森へぜひ遊びにいらしてください。

2026年「森の幸、秋の旬」水際のロッジ ご滞在プラン
詳しいご案内はこちら

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