あめつち便りアーカイブ
Vol. 20 新しい命が灯すもの
Social Regenerator(地域蘇生人)の細羽雅之です。
今日は、目黒集落から嬉しい速報です。
昨日、森の国Valleyで暮らす「マイマイ」こと前川真生子さんが、第一子を無事に出産しました。
母子ともに元気とのこと。
目黒集落にとって、ここ数年で6人目となる新しい命です。
マイマイは、5年前に目黒集落へ移住してきました。
当社サン・クレアでは、10泊11日の子ども向けキャンプ事業を立ち上げ、森や川、地域の暮らしを舞台に、子どもたちの原体験を育む活動に取り組んできました。
そして今年、サン・クレアから独立。
夫の「金ちゃん」ことコウセイさんとともに、新しい人生を歩み始めた若きチャレンジャーです。
その二人のもとに、新しい命が生まれました。
本当におめでとうございます。

目黒集落では今、新しい命の誕生が続いています。
一昨年、この集落に赤ちゃんが生まれました。
実に15年ぶりのことでした。
その朗報は回覧板に載って集落を巡り、おじいちゃん、おばあちゃんたちは、自分の孫が生まれたかのように喜びました。
たった一人の赤ちゃんの誕生が、人口約250人の集落全体を明るくしたのです。
それまで人口減少の先にある未来を案じていた地域に、小さく、しかし確かな希望の光が灯りました。
続いて昨年は、移住してきた家族のもとに3人の赤ちゃんが誕生しました。
そして今年は、マイマイの赤ちゃんで2人目。
12月には、さらにもう一人の赤ちゃんが生まれる予定です。
予定どおり新しい命が誕生すれば、わずか3年間で7人。
人口250人足らずの目黒集落に、ちょっとしたベビーブームが訪れています(笑)。

少子高齢化が進む日本社会の流れに逆らうように、なぜ、この小さな集落で新しい命が次々と生まれているのでしょうか。
僕は最近、その理由をよく考えます。
もちろん、出産助成金や育児支援などの制度は大切です。
子育てをする家族を社会全体で支える仕組みは、これからますます必要になるでしょう。
けれども、金銭的な支援だけで、人がその土地に根を下ろすわけではありません。
最後に人の心を動かすのは、
「ここで子どもを産みたい」
「この自然と人のつながりの中で、子どもを育てたい」
という、もっと深いところから湧き上がる感覚なのではないでしょうか。
森があり、川があり、土がある。
子どもの泣き声を聞けば、近所の人たちが一緒に喜んでくれる。
困ったときには誰かが手を差し伸べ、子どもの成長を集落全体が見守ってくれる。
便利さだけでは測ることのできない安心や、命を育む環境が、ここにはあります。
理屈よりも先に、
「ここなら、この子を育てていける」
と、若い夫婦が身体で感じられること。
それこそが、人が移り住み、その土地で暮らし続けようとする大きな力になるのだと思います。
制度によって一時的に人を呼び込むだけではなく、家族が根を張り、子どもが育ち、やがて次の世代へと暮らしが受け継がれていく。
その積み重ねによって、持続可能なコミュニティは生まれていくのではないでしょうか。
一人の赤ちゃんが生まれる。
その出来事は、人口統計上では、数字が一つ増えるだけかもしれません。
けれども、小さな集落にとって、その一つの命がもたらすものは、決して「一」ではありません。
家族に喜びをもたらし、近所の人を笑顔にし、地域に役割を生み、未来を思い描く力を与えてくれる。
新しい命は、集落の未来そのものなのです。
【第7回 Satoyama実践者交流会に登壇します】
こうした目黒集落での実践から見えてきたことを、11月14日(土)、愛媛県内子町で開催される「第7回 Satoyama実践者交流会」でお話しさせていただきます。
今回のテーマは、
「Satoyama × 継承――暮らしの中にある価値とは」
基調講演には、『里山資本主義』の著者である藻谷浩介さんが登壇されます。
僕もパネルディスカッションに参加し、目黒集落で起きている変化や、新しい命が生まれる地域づくりについてお話ししたいと思っています。
参加費は無料です。
ご興味のある方は、ぜひ内子町へお越しください。
今回は、森の国Valleyに生まれた新しい命への感激と、僕たちが目黒集落で目の当たりにしている希望について書きました。
新しい命の誕生を、皆さまとともに喜びたいと思います。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
あめつち便りは、代表細羽雅之が森の国Valleyの考え方を、日々の営みを通してお伝えするコラムです。メルマガで定期配信いたしております。
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